序章
カーボンローラーを使って B 帯で戦っていた僕はブチギレていた。
「キル取っても取れなくても勝てねえ!」
一度はカーボンローラーで S に入ったこともあるが、その後一気に転落し、B 帯で燻っていた。
B 帯でも安定して勝てず、次第にこの武器のエリア適正を疑い始めた。
「キル取っても勝てないし、この武器エリアに向いてないじゃ…」
「エリアに向いてる武器ってなんだ?塗れる武器?」
「試しにヴァリアブルローラーとか使って、ひたすらエリアを塗り続けてみるか」
この考えは非常に浅はかであるが、徹底してエリア塗り続ける行動は B 帯ではかなり刺さった。
「一気に A 帯まで来た…。逃げ回ってエリア塗りつけるだけで、キル取れなくても、勝率が全然違う」
「けど徐々に行き詰まりを感じてきてるし、このままじゃもっと上は行けないな…どうしよ」
「エリア塗り続けようって思ったけど、味方が死ぬと相手が詰めてきてどうしてもエリア塗れなくなるんだよな」
「うーん…」
「つまり前線が大事ってことか?前線を上げられれば塗りを維持できるし、下げればエリアを塗れなくなる…」
「なるほど、前線が大事だな。けど前線を上げるにはどうすれば?」
「やっぱり対面強くなるしかないのかなぁ」
「まてよ、ヴァリアブルローラーフォイルにはマルチミサイルがあるな。これ、使えるんじゃないか?」
「ミサイル打てば捕捉した相手は前線を下げざるを得なくなる。その間にこっちが前線上げれば、無理矢理前線を上げられるんじゃないか!?」
「さっそくやってみよう」
勝利条件から降っていく
つまりこういうことだ。
エリアというルールの勝利条件はいかに多くの敵を倒すかではない。「いかに特定のエリアが自チームの色になってる状態を維持できるか」である。
塗り続けることよりも、「維持する」ことが重要。
維持するには、相手をエリアに近づけさせてはならない。つまり自チームの前線を上げることが直接的に勝利に貢献するのだ。
しかし、敵チームの前線を下げ、自チームの前線をあげるのは容易ではない。
そのため、「スペシャルウェポン」の有効活用が必須である。
マルチミサイルは、キル性能は高くないが、相手の前線を下げるという点では非常に効果的なスペシャルだ。
もちろん、キルすることも前線を上げることに繋がるが、キルは難しく安定しない。かつ倒したとしても自分が死ぬと上げた前線を維持できない。
前線を維持する行動を取るという前提の上で、キルを狙うのはとてもリスクが大きい行動であるため、キルを狙いに行くべき瞬間というのは少ないはずだ。
敵を倒しに行くのではなく、敵を「抑える」イメージで、敵に向かって塗り続ける。
相手と前線が拮抗してる状態でスペシャルを溜め、スペシャルが溜まったら吐いて前線を上げる。
これを繰り返すことで、ついに S+に乗ることができた。
S+ロードで戦うために
「めっちゃ勝てるようになった…一気に S+まできたな。こっからどこまで行けるか」
ここから先は、これまで考えたことをベースに細かな改善を積み重ねていくことになるが、特に意識して効いたと感じたのはこんな感じ。
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不利対面は絶対避ける。
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ヴァリアブルの場合、自分の射程以上の射程を持つ武器は大体きつい。
- スピナー系
- チャージャー
- お風呂
- 洗濯機
- ラビットブラスター
- ロングブラスター
- etc…
- こいつらとの対面は絶対に避ける。何がなんでも避ける。
- こいつらとの対面は避けつつ、一心不乱にローラーを振り続ける。
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スペシャルを使って相手をどかせ、リーチ差を埋めて刺す。
- 特にスピナー系は多くの武器にとって脅威になりやすいから、意外とこっちの意識の方が重要な気がする
- どかした後に行けそうならキルを取りに行くことも多い
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相手に圧をかける
- 射程で勝ってるなら、塗りを生かしてとにかく振り、注意深く前線あげて圧をかける
- 前線に立つが、最前線には立たず、先端 2 回で倒す。
- あとは詰めてきた敵を潰せば良い。
- 逆に言えば圧さえかけられればそれでよいので、キルを取りに行かない。リーチと徹底した周辺視野で倒す。引かせるだけでも良い。
- 塗ればスペシャル出せるし、自陣の動ける範囲(前線)は自チームの勝利に直結するから、とにかく塗る
- 長射程を生かしてとにかく塗り、自分を倒そうと浮いてきた敵を返り討ちにする。無理そうなら逃げる
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マップを見る
- ヴァリアブルローラーの場合、前線の一歩後ろに立つことになるため、裏どりと前線からの抜けに気を配る
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強い場所を考えて、そこに立つ
- エリアを塗れて、相手に倒されづらい場所は大体どのステージにも用意されている
- そのポジションを立って、エリアに干渉し続け、様子を伺って前線を上げる
- そしてこういう強い場所は大抵裏どりルートもセットであるので、裏取りルートを絶対に許さない
めちゃくちゃ多く見えるが、細かく説明しているだけで、全体で4つほど。
自分はこれができるようになるまで意識して、徹底でき始めたころに X に乗った